今更brexitと医薬品周りに与えるであろう影響の話

5月に職場復帰してから忙しすぎて生きてるだけで精一杯状態が続いてます。

平日のできなかったことが土日に押し寄せるので、毎週ドタバタしています。

今日は良くも悪くもお子が発熱ボウイのためお休み・・・実は3週連続月曜日休んでます。保育園の洗礼なのか体調管理に失敗してるのか・・・(出不精夫婦なので)おうち時間多めにとってるんだけどな。私も小さい頃は元気でも熱をパーンと出してましたが、そういうタイプなのかな。

そんなわけで、3月に予定どおりいくつか整理(利確、損切)してからはほとんど取引できずで放置していたさなか、思わぬbrexitショックがやってきたなど。

いやーびっくりした。離脱するとは思わなんだ。お昼に職場でニュースみてやべー!となってました(主にドル円が。いや取引してなかったけど)。ほとんどみんな思わなかったよね。だって投票結果前は残留見越してあがってたもんね。

BBCで、「現在の方向に反する意思を示すために離脱したがまさかそうなるとは思わず後悔してる」といった発言する人たちが何人も出てたのはちょっと面白かった。まさにbregret。

以前の民主党政権に代わったときの感覚にちょっと似てるかもな。現在に不満があるから一度やらせてみようとかな。

自分が足を突っ込んでる医薬品業界でいうと、まずEMA(欧州医薬品庁)どうなるねん?というね。

EUは中央審査方式という方法がありまして、バイオ製品、AIDS、がん、糖尿病、オーファンドラッグなどはマストなんですが、とりあえず医薬品の申請をその方法ですると加盟国から選ばれた2名のラポーター/コラポーターが審査報告書を書くんですね。その内容をもとに普通の医薬品だったら加盟国メンバー+患者団体+アカデミア等専門家からなるCHMP(ヒト用医薬品委員会)で審議されて、Market Authorizationを得るわけです。その事務局機能を担う重要な組織がEMAで、イギリスロンドンはカナリーワーフにあります。

ちょっと脱線すると、承認を得たからといってすぐに市場に販売できるわけではなく、薬剤価格を決定するプロセスが必要です。もちろん日本でもやっていまして、厚労省が所轄する別の専門委員会でやってるわえけですが、一応承認からあまりラグがないので「承認=市販OK」というストレートラインが日本の感覚なんですね。しかし(日本も最近大きな話題になりつつありますが)薬価の問題というのは手厚い福祉制度を有する欧州では日本以上に重要な問題でして、EUの場合薬価付けは各国の機関で行われます。EU諸国の場合そこがラグになりがちで、承認からだいぶ時間が経って市販開始、になるわけです。特にそれが厳しいのが実は英国のNICEなんですよね。費用対効果を見極めて、高くなりそうな薬剤は自国では売りませんよ!という。実際いくつかそれをくらった薬剤もあって、せっかく開発したのにそりゃないぜになりますよね・・・。

英国が離脱した場合、EMAはロンドンには置かれなくなるのではと思います。個人的にはブリュッセルとかかなーと勝手に思ってましたが、フランスとかイタリア、それから北欧諸国が名乗りを挙げているようです。気が早い!笑

もちろん日本の医薬品メーカーも結構なところが欧州拠点を英国に置いています。それじゃ欧州拠点として意味ないでしょうから移転するところも多いでしょうね。といってもデカい工場を持っているわけでもないのかなと思いますので、雇用の損失とまではいかないかもしれませんが。

医薬品の開発は各国から被験者を組み入れて大きな臨床試験をすることが多く、もし中央審査方式が使えず英国での承認を別に取らないといけないという話であれば、英国民は組み入れないし欧州で取ってしまってマーケットサイズも小さくNICEも口うるさい英国で承認取るようにはしないかもしれません。英国民の医薬品アクセスに影響するってことですね。日本よりずっと深刻な状況になっちゃうかも。流通も離脱する分手続きが増えて面倒になるかもしれませんしね。

ガイドラインとかも使えなくなっちゃうというか、英国用にカスタマイズして使うようになってしまえば読み解いて違いを把握しながら開発するのとか面倒ですもんね。

それらをしないためには中央審査方式でOK出たら英国でもそのまま受け入れますとか運用でどうにかすることなんでしょうけど、プライドの高いMHRAがそんなことするかな?笑

EU的には、科学的な審査をできるのって実際はEU域内でも一部の先進国メンバーが多くて、ブルガリアとかEUメンバーだけど実質ろくに審査もできないから、そういう人選とか科学的なガイドライン作成とかで英国メンバーの力を借りられないのってちょっと困るだろうなとか。

国民投票で大事なこと委ねるの危険ですね。感情とかその場のノリで流されちゃうから。英国と欧州のいろんな産業界の人たちが頭を抱えているのがよくわかります。

日本もこれからEUメンバーと英国メンバーに分けて連絡とるとか、あーーーめんどくさそう!

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コメント

  1. お茶 より:

    お返事ありがとうございました。
    相場は面白いですね。

    私も医薬品、治験業界に一時期いました
    所属は情報システム部でした。
    業界狭いので言うと知ってる会社だと思います。
    今は福岡でNEC子会社に勤めてます

    シロクマさんは勉強熱心で向上心があり
    子育てと仕事を両立してて立派だと思います。

    お返事は気が向いたときでかまいません
    では、暑い日が続きますが熱中症に
    気をつけてお過ごしください。

    • shirokuma より:

      あ、あ、ありがとうございます~!><。
      (そして毎回本当に今更ですみません…)
      実際は向上心も空回りでギッタンバッタン毎日暮らしているのが正しいのですが(汗)、そう言っていただけてとてもうれしく励みになります。

      治験関係もされていたんですね!
      この業界は(他の業界もかもしれませんが)最近ますますIT化の流れが高まってきており、どんどんシステム関係の方の出番が増えていっているように感じます。
      先週は山笠もあり街中活気があったのではないでしょうか。ニュースを懐かしい気持ちで見ておりました。
      山笠が終わると暑さの本番という感じになりますね。お茶さんもお気をつけてお過ごしください!