金曜の午後に、上野の森美術館でやっていた「怖い絵展」へ行ってきました。
作者の中野京子さんの「怖い絵」シリーズが大好きで、全て読んできた私としては絶対に行きたかったので、来るのをずっと楽しみにしていました。
余談ですが、中野京子さんの美術画解説モノはどれも面白いです。私は最初に読んだ「はじめてのルーブル」が面白くて、怖い絵シリーズにたどり着きました。
しかし、東京はどこも人が多いことをいろいろな点(鉄道フェスとかね)で学んでいるワタクシ。
公式ツイッターもなんか混んでそうな気配しかなくて、休日はとても無理そう。
そんでもってこれは明らかに解説しっかり見聞きしないとちゃんと味わえないタイプの展覧会。金曜の夜の長め解放時間帯に行ったとしても子連れで見られるわけもない。
・・・ということで、ちょうど仕事も閑散期だったこともあって、自主プレミアムフライデーで早退してきました^^
しかし甘かった・・・人多すぎィ!
着いてビビる。入場めっちゃ並んどるやん!!
チケットこそ並ばず買えましたが、入場までに15分くらいは並びました。
公式ツイッターを見ると、休日は80分くらいここで行列していたとか・・・おおおおそろしい。つくづく平日来てよかった!
中も大混雑。なかなか絵に近づける状況ではないので、とりあえずぐるっと一周見て、空いているエリアから少しずつバラバラと見ることにしました。
(美術館の人もその方法をおススメしてました)
あと、音声ガイドを借りたのがよかった!混雑している中でもある程度絵の背景情報が分かるのはよかったです。550円の価値はあると思いました。
吉田羊さんがナレーションをしています。自分は特にファンでも何でもないですが、聞きやすかったです。
神話世界の「怖い絵」、現実世界の「怖い絵」、歴史上の「怖い絵」などで構成
確かに、「怖い絵」といってもいろいろありますよね。単純に異形のものを出して怖がらせるタイプの絵、よくないことをするとこうなっちゃうよな教訓系の怖い絵、一見怖くないけどよくよく見聞きしてみると怖い絵、本当に怖いのは人間の騙しあいだったりするんだよ~な歴史系の怖い絵など。
私は後者2つが好きで、実際に「怖い絵」シリーズでもそれらを扱っていることも多いように思います。
ですので、後半の展示から先に見ました。
チケットにも採用されている、展示の最大の見どころである「レディ・ジェーン・グレイの処刑」は確かに大きくて迫力あってとてもよかったです!
歴史に翻弄されてわずか9日間の王位の末処刑された若きジェーン・グレイさんの白さが際立っていて、その首を切るための斧がドーンと目立っていて、劇場演出のようです。
それから、チャールズ・シムズさん。
妖精や精霊たちを綺麗な絵に違和感なく描きこんでいて素敵だな~と思いましたが、第一次世界大戦で愛する息子を亡くしてしまい、その後徐々に精神を病んでいって自殺してしまったとのこと。
一児の母、こういう話に激弱くなりましたよ・・・そうですよね、子供亡くしたらつらくてつらくてつらいですよねぇ。
「そして妖精たちは服を持って逃げた」とかが素敵で、マグネット買っちゃいました笑
あとムンクの「マドンナ」とかも、でろっとした女性の左下に胎児がいて、周りを額のように縁取るのは精子でとなかなかパンチ効いててよかったです。ポストカードとかは買えませんでしたが(笑)
物販もよかったですよ~オリジナルのハーブティーやアロマや香りに注力した商品もあったりで楽しかったです。
この「オデュッセウスに杯を差し出すキルケー」が薬草に精通していたりしていただったりなんだとか。
ただなんせ「怖い絵」なのであんまり絵関係で家に買いたい!というのは我が家のテイストに合わず・・・笑
感想まとめ
上述のとおり、全作読んでる身としては行かないと後悔するであろう類だったので行ってよかったです。
ただ、単純に見て「怖い絵」が多いので、逆に中野さんシリーズをたくさん読んでいる人にはもっとよく見たら怖い絵!みたいなシリーズが多くてもいいかなと思ったりもしました。でもそれはそれで難しいですよね。解説読むから混雑もさらにすごくなりそうだし。インパクトは与えられないかもしれないし。
異形のものの出す雰囲気もなかなか面白く、テレビとかがない世界で識字率も高くない中での絵の与える効果はきっとものすごいだろうから、妖精や悪魔やらを当たり前のように信じる時代でもあったから、これらの絵画があるとほんと怖かっただろうなぁ~と思いました。
ま~~ただ人ほんと多い!!!多分美術館が狭いからでしょうけど、正直ここまで混雑するか~?と思いながらの帰宅でした。
それともだいぶ前から駅ポスターとかで宣伝しまくりだったから認知度が高かったのかなぁ?混雑が苦手な者には絶対にこれからも混む系の展示は平日に行こうと心に決めたのでした・・・。