妊婦と漢方:妊婦は同じ症状になりやすい

以前書いたとおり、妊婦にとって漢方というのは困った時の良い選択肢となりえるのではないかと思っています。ということで自分も昔の教科書なども引っ張りだしつつ(笑)いろいろと勉強してみました。

漢方の基本的な考え方①実証・虚証

漢方では、病気の現れ方や体質などを「証」という考え方で診断しています。

「実証」「虚証」、聞いたことがないでしょうか。

実証とは、生体を正常に維持するための機能が正常に働いているにも関わらず、有害物質や生体内の物質が多すぎるあまりに体の調子を崩す状態です。気力が充実してがっしりとした体格のことが多いのですが、中身に熱や水分・老廃物などがこもりやすくそれにより不調が生じることを指します。

一方で虚証とは、本来ある「正の気」が減じた状態で、生体を正常に維持するための機能が正常に働いていない状態です。やせ型で虚弱体質、胃腸が弱い方が当てはまることが多いです。

漢方の基本的な考え方②気・血・水

同じく漢方の基本的な考え方に、「気・血・水」理論というのがあります。気、血、水の三要素の量や変化が、生体にも影響を与えていると考えるものです。

「気」というのは目には見えません。精神的なもの・エネルギー的なものととらえられます。

物質的なものは「血」「水」に属し、その中でも何らかの機能があり、全身に栄養を行き渡されるものを「血」、そうでなくただ潤す役割であったり、老廃物の排泄を担うものを「水」と区別しています。「血」は「血液」も含みますが、血液の流れやその他の機能のある働きなども指し、イコールではありません。

気血水の考え方は「陰陽論」から来ており、気が陽、血水が陰に属するとされています。血・水は気の働きによって循環と生成を繰り返すものとされており、気は血・水の循環によって機能が高まるとされています。

・・・うむ、ここまできて息切れしてきました(; ̄д ̄)(自主勉強)

まぁこれからが本題なのですが、人は通常それぞれ千差万別、いろんな「証」を示し、様々な気血水の状態を示すものなのですが(周りを見渡してみてもがっちりしていて見るからに熱がこもってそうな短気な人、大丈夫?というくらい青白く虚弱そうな人、といろいろいますよね・・・)。

でも、なんと!妊娠中はみなさん同じ「証」を示しやすいのです(゚ロ゚ノ)ノ

妊娠中に示されやすい「証」とは

簡単に書くと、こんな感じです。気が実証、血が虚証、水が実証に傾きます。

気滞
血虚
水滞

基本的に母体としては赤ちゃんに栄養分を回すことが最優先されるのですね。なので血の循環は胎児にGO!「血虚」の状態になります。

また、体が急速に皮下脂肪をつけて、子宮を守ろうとしますので、脂肪の蓄積と共に水分が蓄積しやすくなります。これがいわゆる「水滞」の状態。

それだけではありません。本来の気の流れが赤ちゃんがいることで乱れ、「気滞」もしくは「気鬱」と呼ばれる状態となります。

これらはどのような症状として現れるのか・・・

貧血になり(血虚)、頭痛がし(気滞)、浮腫や便秘、足のつり(水滞)が起こりやすくなり・・・

おぉヽ(*゚O゚)ノ!いわゆる妊婦に起こりやすい症状がまるっと当てはまるではないですか!!

自分自身でもびっくりしました(笑)

ということでその分、いわゆる「妊婦さんにはこれ!」といった処方がしやすいんですね。

で、その処方とは・・・・???

また、書きます(;´ρ`)(疲)